海に浮かぶ木の舟は、生まれ育った森の記憶を持ち続けているに違いありません。 森から海へのいのちの流れ。 ヒトのカラダにも、太古からの記憶が刻まれているのでしょう。 大きな流れの中の、今、ここに在る、ひと粒のいのち。 濃い熊野の森を抜け出るこの地、和歌山・串本に、潮騒を聴きながら舟を作りました。 この小径をあと数十メートル下ると突然視界が開け、断崖の下には太平洋が拡がります。 いとおしい小さないのちを、この舟にのせて、大海へと解き放ちたい。 未来へといのちを育み続ける大海原へ。 めぐりめぐる、いのちの流れの中へ。 |